三島のうなぎが栄えた理由

静岡県三島市は、うなぎがおいしいことで有名です。同じ静岡県内には、うなぎの養殖で有名な浜松市があります。産地ではないのに三島のうなぎが有名な理由は、水にあります。
三島市の水道水は、すべて富士山が育む地下水源です。水温16度程で、PHは中性を示す7程度。微量ながらミネラルを含み、味が落ちる原因となる有機物量は極わずかなのです。浜松から生きたまま運ばれてきたうなぎは、三島の水の中で一週間過ごします。この期間は餌を与えないので、余分な脂肪が落ち、臭みが消えることでおいしくなるのです。三島市は、人口当たりのうなぎ料理店数が全国トップクラス。富士山水のおかげで、おいしいうなぎが提供できるわけですね。
三島とうなぎの歴史をのぞいてみましょう。海で育ったうなぎは、駿河湾から川を上って三島にやってきました。三嶋大社の神池や右内神社の池にも、うなぎが生息していたそうです。右内神社は三嶋大社の御門の守護神と言われ、三嶋大社の使者であるうなぎが冬を越しにくるのだと考えられていました。そんなわけで、うなぎはとても大事にされ、江戸時代までは三島でうなぎを食べることは御法度とされていたのです。ある時、そのうなぎを捕まえてかば焼きにする人物が現れます。徳川の二代目将軍秀忠が三島宿に来た際、その家臣が食べてしまいました。幕末になると、薩摩や長州からの兵が次々にうなぎを捕まえ、かば焼きにしてしまいます。神の使いを食べたにも関わらず彼らに罰が下ることはなく、三島のうなぎのおいしさだけがたちまち有名になりました。こうして、三島にはうなぎ店が増えていったと言われています。
大事にされていたうなぎが食べられてしまうことによって、栄えることができた三島。神の使いが身体を張って、三島に活気を呼んだということでしょうか。富士の名水だからこそ成し得る絶品うなぎを一度いただいてみたいですね。
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