小さな幸せとは

間もなく後期高齢者になる両親のお供で年末年始の買い出しに行ってきました。主に日持ちがする食品をあれこれ買いたいというので、小さな車の後部座席に2人を乗せ、今年は少し足を延ばし郊外の大きなスーパーまで小一時間ほどのドライブです。まず出掛けに玄関先で「あれは?」「そっちに」など名詞が出てこない会話に不安を覚えました。それでも久しぶりのお出掛けでテンション高めの私たち3人はご機嫌です。いざ到着すると、大きなカートを押す私を尻目に両親それぞれ目的の物に向かってまっしぐら。お目当ての物を手に入れてはカートに放り込み、またメモを見ながらどこかへ行ってしまいます。最初は私もカートに入れられた物にあれこれ口出ししていたけれど、段々無言になってきました。買い物が終わってすっかり疲れ切ってしまった私たちは、自販機で飲み物を買い車の中でごくごく飲みました。まるで今まで喉が渇くなんてことがなかったかのように。「ごくごく」がこの時ほどピッタリな表現に感じたことはありません。飲み終わった時ちょっと笑っちゃいました。車の中に3人もいて誰一人何も言わずただごくごくと飲んでいるなんて。帰りの車の中は往きとは違い、後ろからちょっと大きめの寝息が聞こえてくるだけでしたが何だかホッとしました。